欧米では女性が妊娠すると認知能力が低下すると信じられてきたが、オーストラリア国立大学(Australian National University)の研究チームはこうした通説は迷信にすぎないことを実証し研究結果を5日、英精神医学誌「British Journal of Psychiatry」に発表した。
妊娠中や育児の初期過程にある女性は物事を認識する能力が衰えるとする症状は、欧米では「ベビーブレイン(baby brain)」と呼ばれ広く信じられている。
「ベビーブレイン」を科学的に検証するため、オーストラリア国立大学の研究チームは、オーストラリア全土から無作為に7500人の女性を抽出し、20年間にわたる集団調査でその精神状態を調べた。対象女性には、妊娠に関する研究である旨を知らせずに、8年間の間に3回の認知速度テストを実施した。
その結果、研究を主導したヘレン・クリステンセン(Helen Christensen)氏によると、妊娠前と妊娠中や育児前と育児中の女性の間に能力の差異はみられなかった。子どものいない女性と子持ち女性の間にも違いはなかった。
「British Journal of Psychiatry」によると、多くの女性は妊娠手引書などで、妊娠すれば記憶能力が衰える「ベビーブレイン」を発症する恐れがあると警告されてきた。
クリステンセン氏によると、妊娠後期には知覚速度に限定的な影響がみられるが、研究結果から妊娠が女性の知能に永続的な影響をおよぼす可能性はほとんどないことが分かったという。しばしば人は物忘れを女性が妊娠したせいにしがちだが、こうした症状も誰もが日常的に経験している物忘れと大差ないものとクリステンセン氏はみている。
また、クリステンセン氏は「ベビーブレイン」はすべての妊娠女性が発症するものではなく、妊娠中に知覚能力が低下したとすれば、感情的な要因などが影響していることも考えられると指摘。研究結果は妊娠中や母親となった女性は、そうでない女性とは異なる知覚状態にあるとの概念を打ち破るものだと話した。
妊娠前と妊娠後の女性の知覚能力を比較した研究は、今回が初めてだという。(c)AFP
2010年12月30日
2010年12月20日
高齢出産は子どもの自閉症リスク高まる
40歳以上の女性が自閉症の子どもを出産する確率は、30歳未満の女性の約2倍とする研究結果が8日、医学誌「Autism Research(自閉症研究)」2月号に発表された。
研究は米カリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis)が、1990年代に産まれた新生児490万人の健康状態を10年間にわたって追跡調査したもの。その結果、子どもの自閉症発症リスクと母親の出産年齢との間に、これまでの研究を超える顕著な相関性が認められた。
研究結果によると、母親の出産年齢が5歳上がるごとに、子どもの自閉症リスクは18%ずつ上昇することが明らかになった。なかでも、出産年齢が40歳以上の女性では、25〜29歳で出産する女性よりも子どもの自閉症リスクが倍増することがわかった。
■ 夫の年齢の影響は限定的
一方、年上の夫を持ち30代で出産した女性の子どもに関しては、自閉症リスクの上昇は認められなかった。だが、夫が年上でも30歳未満で出産した女性の場合、子どもに高い自閉症リスクがあったという。なかでも、夫が40歳以上で25歳未満で出産した女性では、夫の年齢が25〜29歳の同年代女性よりも、子どもの自閉症リスクが約2倍高くなるという結果になった。
結論として、夫の年齢が子どもの自閉症リスクに及ぼす影響は、「夫が年上で30歳未満で出産した女性」を除いては、ほとんど認められなかった。
高齢出産が子どもの自閉症リスクを高める原因については、さらなる研究が必要だが、研究チームは、体内で分解されずに蓄積される環境化学物質の一部が関係しているのではないかと推測している。(c)AFP
研究は米カリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis)が、1990年代に産まれた新生児490万人の健康状態を10年間にわたって追跡調査したもの。その結果、子どもの自閉症発症リスクと母親の出産年齢との間に、これまでの研究を超える顕著な相関性が認められた。
研究結果によると、母親の出産年齢が5歳上がるごとに、子どもの自閉症リスクは18%ずつ上昇することが明らかになった。なかでも、出産年齢が40歳以上の女性では、25〜29歳で出産する女性よりも子どもの自閉症リスクが倍増することがわかった。
■ 夫の年齢の影響は限定的
一方、年上の夫を持ち30代で出産した女性の子どもに関しては、自閉症リスクの上昇は認められなかった。だが、夫が年上でも30歳未満で出産した女性の場合、子どもに高い自閉症リスクがあったという。なかでも、夫が40歳以上で25歳未満で出産した女性では、夫の年齢が25〜29歳の同年代女性よりも、子どもの自閉症リスクが約2倍高くなるという結果になった。
結論として、夫の年齢が子どもの自閉症リスクに及ぼす影響は、「夫が年上で30歳未満で出産した女性」を除いては、ほとんど認められなかった。
高齢出産が子どもの自閉症リスクを高める原因については、さらなる研究が必要だが、研究チームは、体内で分解されずに蓄積される環境化学物質の一部が関係しているのではないかと推測している。(c)AFP
2010年12月15日
幼な妻の子どもは栄養不良リスクが高い
インドでは、幼な妻に生まれる赤ちゃんは、年長の妻が生む赤ちゃんに比べて栄養不良になるリスクが高いとする研究結果が22日、英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal、BMJ)」(電子版)に発表された。
米ボストン大学公衆衛生大学院(Boston University School of Public Health)のアニタ・ラジ(Anita Raj)教授らのチームは、15〜24歳で結婚した1万3500人の女性の1万9000人の赤ちゃんを対象に調査を実施した。
18歳未満で結婚したいわゆる「幼な妻」が産んだ赤ちゃんはうち1万3000人以上にのぼり、その67%は栄養不良児だった。18歳以上の女性が産んだ赤ちゃんと比較した場合、発育不全の確率は22%、低体重の確率は24%それぞれ高くなることがわかった。
研究チームは、この背景には、幼な妻は夫や義理の両親から軽視され、子どもの食べ物への要求ができないといった事情があると推測している。
ラジ教授は、「調査は幼な妻にとっても遅い出産は利点があることを示している。幼な妻の子どもたちをサポートするための介入努力が必要であることも明らかになった」としている。
インドは、5歳未満の乳幼児死亡率が世界一高い国となっている。20〜24歳の既婚女性のうち18歳未満で結婚したのは44%以上、18歳未満で出産したのはおよそ4人に1人となっている。(c)AFP
米ボストン大学公衆衛生大学院(Boston University School of Public Health)のアニタ・ラジ(Anita Raj)教授らのチームは、15〜24歳で結婚した1万3500人の女性の1万9000人の赤ちゃんを対象に調査を実施した。
18歳未満で結婚したいわゆる「幼な妻」が産んだ赤ちゃんはうち1万3000人以上にのぼり、その67%は栄養不良児だった。18歳以上の女性が産んだ赤ちゃんと比較した場合、発育不全の確率は22%、低体重の確率は24%それぞれ高くなることがわかった。
研究チームは、この背景には、幼な妻は夫や義理の両親から軽視され、子どもの食べ物への要求ができないといった事情があると推測している。
ラジ教授は、「調査は幼な妻にとっても遅い出産は利点があることを示している。幼な妻の子どもたちをサポートするための介入努力が必要であることも明らかになった」としている。
インドは、5歳未満の乳幼児死亡率が世界一高い国となっている。20〜24歳の既婚女性のうち18歳未満で結婚したのは44%以上、18歳未満で出産したのはおよそ4人に1人となっている。(c)AFP

